Interview

クラリネット奏者 李柏陞さん

将来、患者さんのための義援コンサートを開催したいです!

2018年05月15日 17:46:00
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クラリネット奏者
李柏陞さん

Q.この度はありがとうございました。まず、李様のご経歴や音楽活動歴を教えていただけますか?

A.クラリネットを習い始めたきっかけは小学生の時の学校の吹奏楽団でした。当時は元々フルートを習いたかったが、フルートを学びたい子が多すぎて必要人数を超えていたというわけでした。そこで、吹奏楽団の先生に「君の口はクラリネットに合う」と言われてクラリネットと縁を結ぶことができました。中学生になってから医師になると決めたため、音楽より学業のほうに力を入れていたが、学校の吹奏楽団や台北青年吹奏楽団に参加していた。その他、クラリネットの個人コンクールにも参加し、市大会や県大会でいい成績をとって全国大会にも出場していました。こうして、一人前の演奏者になりたいという気持ちが強くなって、リサイタルの開催に至りました。
 
Q.この度はラバージョン音楽サロンで「旅立ち」というコンサートをされました。どのような思いで開催されましたか?また、具体的なコンサート内容を教えてください。

A.前回のリサイタルは3年前のことで、この3年間自分はどれくらい成長したかを確かめたいという思いがありました。また、海外でコンサートを開きたいという夢もありました。今回のコンサートでより高い目標を目指すことができるのではないかという自信がつきました。
前回のリサイタルが終わってからずっと将来の音楽活動を計画していました。短期滞在なため練習時間もあまりないことから、短時間で伴奏合わせできる曲、例えばソナタ、舞曲、solo pieceなどを一番優先にプログラムに入れました。そのためプロコフィエフやサン=サーンスのソナタ、リベルタンゴ、ルーマニア民俗舞曲、ジャコモ・ミルッチョのソロ曲と華やかなヴェニスの謝肉祭を選びました。

Q.李さんにとって音楽にはどのような魅力がありますか?

A.音楽は一つの技術であり、自分を磨き続けることによって一つ一つの音に含まれる感情が見えてきます。よって、同じ作品であっても感じ方や解釈の仕方が違ってくる。これが私にとっての音楽の魅力です。それに、音楽を聴くときは絵や文学を鑑賞するときと違って、好きなところに留まって作品が伝えたいことなどを考えることができない。音楽を聴く人にとっては、音は一瞬のもの。演奏者にとってもそうです。ミスをしたところを再演することはできない。こういう「さかのぼれない」ところも音楽ならではの魅力だと思います。
 

Q.少人数の規模で行う演奏会のメリットはなんだと思いますか?

A.少人数の規模で行う演奏会は昔の室内楽に似ていて、それに加えて観客がほぼ自分の知り合いなため、プレッシャーを感じずに演奏することができると思います。また、演奏者と観客との距離の近さも小規模のコンサートのメリットだと思います。演奏会が始まる前に演奏会の開催理由や演奏内容、曲の歴史、作曲家などの紹介をすることができるほか、演奏会が終わった後来場者を感謝する場面を設けることができ、集合写真を撮ることもできます。こうして、初めてクラシック音楽に触れる方にとってとてもいい始まりになるのではないかと考えます。演奏者にとっても、素晴らしい音楽経歴になります。


Q.LOVERSIONの印象は?

A.大変いい印象が残りました。広さは丁度良くて、音響効果も優れています。エコーが多すぎず、音を後ろまできれいに届けられます。そして、吹き抜けがあって気持ちよく演奏できました。一階と二階の間にも客席があって、より多くの観客を収容できるほか、色々な角度から演奏会を楽しむことができます。本当に素晴らしいデザインだと思います。それに、チラシやパンフレットを置く場所もあって、総合的に言えば欠点のない音楽サロンだと言えるでしょう。今回は二階のキッチン・ダイニングスペースを楽屋として使いましたが、ウォームな雰囲気が素晴らしく、演奏会が終わった後の交流の場所として使うのもいいと思います。キッチンがあるから軽食を食べながら交流することもできます。
 

Q.現在、台湾の医学部で勉強されているとのことですね。 これからも医学と音楽を両立させるお考えだと思います。今後、どのように音楽活動をご計画ですか?展望などをお聞かせいただけますか?

A.これからの目標として、患者さんのための義援コンサートを開催したいです。医師でありながら、音楽で人々を助けることが私の夢です。私が大変尊敬している医師、アルベルト・シュバイツァーが13回の義援コンサートから集めた義援金を使ってアフリカでランバレネ病院を建てたように、私も自分の音楽でコンサートを開くことを通して、病気に苦しむ人への関心を喚起できればと考えます。こうして、医学と音楽の両立を通じて自分の価値を発揮したいです。いつか、アルベルト・シュバイツァーのような存在になりたいです。