Interview

コントラバス奏者 高杉健人さん

音楽家としても人間としても自分を高めていく為に自主的なコンサートは計画し続けていけたらと思います。

2019年09月21日 19:29:00
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コントラバス奏者
高杉健人さん
高杉健人の公式ブログ

Q.この度は素晴らしい演奏をありがとうございました。まず、高杉健人様のプロフイールを教えていただけますか?

A. 幼少の頃に母からエレクトーンを習いピアノを少し弾いた後にロックに出会ってエレキベースを始めました。そしてベースにのめり込むとその元であるコントラバスに興味を持ちマンドリン部でコントラバスを始めました。それから中央大学に入学するのですが、音楽への興味は強まる一方でエレキベースでバークリーに行くかコントラバスで芸大に行くか悩み、結果として東京芸術大学へ進学しました。卒業してからは全国のオーケストラで演奏しておりましたが次第に他のジャンルの演奏も増えてきました。ミュージカルに参加させてもらい2つベースの持ち替えや、今までジャーマンボウでの演奏でしたがアルゼンチンタンゴと出会いフレンチボウも始めライブ活動も多くなり、スタジオミュージシャンとしての演奏も増えました。
 
Q.今回、8回目のコンサートシリーズ「CONTRABASSISM」ということですが、具体的にどのような内容でしたか?

A.コントラバス弾きの間で良くする会話の1つに音大を卒業するとハイポジションを弾かなくなる、という話があります。学生の時は試験に向けてソロの曲を沢山練習するのですが、卒業すると仕事で弾く内容は低い音で旋律楽器を支えるのが大半になります。プロの演奏家でも使わなければ技術は衰えてしまうので、意図的にソロコンサートシリーズを作ったのが「CONTRABASSISM」です。最初の頃はピアノ伴奏でクラシックの物を演奏してましたが、ソロタンゴベースのみを弾く回があり、その次として無伴奏の回として開催したのが8回目のコンサートでした。

Q.コントラバスで無伴奏のソロ演奏をされるということは、相当な実力やご自身のオリジナリティーがお有りとお察し致します。そこで、日頃の音楽生活に興味が沸くのですが、、、主にどのようなお仕事(出演や活動など)をされていらっしゃるのですか?

A.相当な実力をいつの日かつけたいと思ってソロ演奏をしています。日頃は、東京室内管弦楽団首席コントラバス奏者としてオーケストラを演奏したり、アーティストサポートやレコーディング、タンゴやポップスなどのライブ活動、マンドリンや吹奏楽、レッスンや指揮などをしております。

Q.クラシック、ポップス、ジャズ、ラテン…など多彩な音楽を演奏されるようですね。広義な音楽観をお持ちですと可能性も広がると思います。と申しましても、やはり得意分野はあるのですか?どんな分野が得意なのでしょう?

A.なんでも出来るとは自分では思っていないのですが、ベースが必要となる音楽はどんどん演奏していきたいと思っております。ですが器用貧乏にはなりたくないので軸としている音楽はあります。クラシックとアルゼンチンタンゴ、ポップスです。外のジャンルを研究したら、今までの勉強の仕方がガラリと変わりより良くなったと思っています。

Q.LOVERSIONの空間はいかがでしたか?ご利用された感想がありましたら教えていただけますか?

A.コントラバスのソロの音域は他の弦楽器に比べて鳴り辛く通り難いと言われてます。自分がソロを弾く場所に求めるのは豊かな響きなのですが、響きにも色々な親類がありまして、特に音が跳ね返ってくる壁までの距離と壁と床の材質に拘ります。今回は無伴奏なので西洋の教会のような石造りに近い音響を求めて、ラバージョンさんに目をつけた次第です。演奏して思った通りの響きの種類で楽しく演奏出来ました。

Q.今後のコンサートやプロジェクト、または何か計画や展望がございましたら是非教えていただけますか?

A.プレイヤーとってのコンサートは大きく分けて2種類になると思います。依頼されて演奏する機会と、自分で作る演奏の機会です。前者は依頼された時間に用意して頂いたホールに向かい演奏しますが、後者は宣伝や事務作業も含めて全て自分になります。音楽家としても人間としても自分を高めていく為に自主的なコンサートは計画し続けていけたらと思います。また次のソロCD制作も機運が高まったら行いたいと思います。